人はみな同じような体のつくりになっていますが、体質というのは人によってさまざまです。
例えば、病気によってもなりやすい人とそうでない人がいますね。
熱中症もこれと同じで、年齢や体質などによってなりやすい人の傾向が見られます。
目次
熱中症に注意するべき人とは?
熱中症が起こりやすいのは以下のような状態だと言われています。
- 炎天下
- 気温30℃以上
- 湿度60%以上
つまり、涼しい場所にいることが多い人よりも、屋外で活動をする機会の多い人のほうがリスクは高いと言えますね。
また、熱中症は多くの汗をかくことで体内の水分やナトリウムが失われてしまったり、体温調節がうまくできなくなってしまったりすると症状はより重篤化してしまう傾向があります。
その為、健康な若者よりも、持病のある人や高齢者、乳幼児の方がリクスは高いと言えます。
実際に、熱中症にかかった人の割合を見ると、年齢別では高齢者や乳幼児が多いです。
特に高齢者については、重篤化してしまうケースが多く、命を落としてしまうことも稀ではありません。
子供の熱中症の原因
熱中症にかかった人を年齢別で見た時に多いのが、高齢者と子供です。子供と一口に言っても乳児・幼児・小児と年齢の段階がありますが、いずれも熱中症には注意が必要だと言われています。
体力が衰えやすい高齢者はまだしも、なぜ子供が熱中症にかかりやすいのか疑問に感じる方も多いでしょう。
通常人の体は、体温の上昇を体温調節機能によって抑えています。このような機能があるのは、体温が上がりすぎると生命維持に障害を及ぼしてしまう為なのですが、子供というのは大人に比べて平熱が高めで、さらに体温調節機能も未発達の状態です。
そして、子供は大人よりも皮膚が薄く、体に対して表面積が広いため、外気の影響を受けやすいのも要因のひとつです。
さらに、帽子をかぶったり水分をこまめにとったりといった対策や、体調不良を大人に訴えたりなどがうまくできないなど、予防や早期発見もし難いのです。
また、大人よりも地面に近いので反射熱を受けやすかったり、人混みで熱気のこもった位置にいる事が多かったりすることも子供が熱中症にかかりやすい原因に数えられます。
運動をする人の熱中症の原因
健康維持の為には運動の習慣が大切だと言われています。これにより、毎日の運動を日課にしている人も多いのではないでしょうか。
しかし、熱中症については、運動をする人は特に注意が必要だとされています。
運動をしている人イコール健康というイメージが強いのですが、なぜスポーツをする人が熱中症になりやすいのでしょうか。
まず、スポーツをしている時の体の状態を見てみましょう。運動をすると、あなたは、体がポカポカとして汗をかいてきませんか?
これは、体を動かすことで生まれた熱によって体温が上がりすぎてしまうのを防ぐために、体温調節機能が働いて汗を出しているという状態です。
では、熱中症が起こる原因についてはどうでしょう。
熱中症は体温の上昇に対し、体温の上昇を抑えようとする体温調節機能がうまく働かなくなるなどして起こります。また、たくさんの汗をかいたことにより体内の水分やナトリウムが不足することで症状の悪化を進めてしまいます。
つまり、体温が上昇しやすく汗をかきやすい時は、平常時に比べて熱中症にかかるリスクが高いと言えるのです。
また、日陰の無い場所や高温多湿になる室内での運動はよりリスクを高めます。
屋外で仕事をする人の原因
熱中症と言えば、あなたは、どのようなシーンを思い浮かべますか?
運動場や海など、スポーツやレジャーをイメージされる方も多いのではないでしょうか。
しかし、熱中症が起こるのは、上記のようなシーンだけとは限りません。実は、お仕事中にかかってしまう方もいらっしゃるのです。実際に、勤務中に熱中症になって命を落とす方は毎年10名以上にもなります。特に屋外で作業着を着て勤務されている方に注意が必要だとされています。
熱中症が起こる条件は「日差し」や「暑さ」だけではありません。たくさん汗をかいたり、体温が上昇したり、汗で失われた水分やナトリウムが不足したりといったことも原因に数えられます。
仕事中はなかなか休む事ができず、また作業に夢中になって水分補給などが疎かになってしまいがちです。また、最近では風通しの良い作業着なども多く見かけますが、作業の内容によっては体を守るためのヘルメットや安全靴、防護服などを着なければいけません。
これらは安全に作業をすすめるうえでは大切なのですが、体の熱を留めやすく、熱中症を発症させる要因のひとつにもなってしまっているのです。
持病がある、薬を服用している人
熱中症に注意したいのが、持病を持っている方です。
健康な状態に比べて体に弱っている部分がある為、リスクが高まってしまうのです。
また、持病そのもので体が弱っているだけではなく、服用しているお薬によっては熱中症にかかりやすくなる可能性もあります。
熱中症にかかりやすくなると言うのは、決してお薬を飲む事がいけないという訳ではありません。お薬に含まれる成分によっては自律神経に影響し、体温調節がしづらくなったり汗をかきにくくなったりすることがあるのです。
普段健康な人でも体調が悪い時や薬を服用している時には同じことが言えます。
例えば、どのご家庭でも常備されている風邪薬、整腸剤、鎮痛剤、乗り物酔い止めなど、
お薬によっては汗を出しにくくする成分が含まれている事があります。
薬は体の不調を改善する為に欠かせない事がありますが、お薬を飲んでいるかどうかに係わらず、体調が悪い時には無理をしないことが大切です。
例えば、これ以上体にストレスがかからないように、暑いと感じたら空気調整をする、いつもより水分補給に気を配るなど、いつも以上に体をいたわってあげて下さい。
高齢者の熱中症の原因
テレビや新聞・雑誌などで熱中症への注意を呼び掛けていることがありますが、特にクローズアップされることが多いのが高齢者の熱中症です。
実際に、熱中症にかかった人を年齢別でみても高齢者は多い傾向にあり、また屋内・屋外問わずに発症しています。重篤化してしまうケースも珍しくなく、熱中症により命を落とす方も少なくありません。
高齢者が熱中症にかかりやすい原因には以下のようなことが挙げられます。
- 体力の低下や持病
- 外気の変化を感じ難い
- 水分を取る量が少ない
人間の体温は、体温調節機能によって生命維持に適切な約37℃に保たれています。
しかし、加齢による体力の低下や持病、さらに服用しているお薬の影響などによって、
この体温調節機能が働きにくくなってしまうと熱中症のリスクが高まります。また、加齢が進むと、暑い寒いといった外気の変化を肌で感じ難くなるため、本人が意図せず高温多湿の環境に長時間身を置いてしまうことも要因に挙げられます。
対策としては家族が気を配ってあげることももちろんですが、自身で意識して水分をとったり、天気予報や温度計を見ながら環境を整えたりする事が大切です。
スポーツの種目別で見ると?
熱中症にかかる人が多いシーンのひとつがスポーツです。
実際に、毎年のように夏になると運動中に熱中症で倒れたというニュースが流れています。
最近では、熱中症の認知度も高まり、きちんと休憩を取ったりこまめに水分補給をしたりといった対策が心掛けられていますが、それでも運動中に熱中症にかかる方は後を絶ちません。
特に注意したいスポーツの傾向は以下のようなものです。
- 防具を着て行う運動(剣道・フィンシング)
- 長時間体を動かし続ける運動(サイクリング・ジョギング)
- 単独で行う運動
人間の体は、体の熱を下げる為に汗をかくようになっていますが、防具を着きて行う種目などで体の熱を出しにくいと、汗をたくさんかき続けてしまいます。
また、休憩が取りにくかったり、運動時間が長くなったりすると、大量に汗をかくことにより、
体の水分やナトリウムが失われるなどして脱水症状のリスクを高めます。
さらに、体調不良を訴えられる人や、それに気づいてくれる人が周りにいなかったりすると対処が遅れてしまい重篤化してしまう可能性もあるのです。
運動をはじめるとつい夢中になってしまいがちですが、水分補給や休憩を計画的にとるなど、体のこともいたわってあげて下さい。